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大山茂総主のご逝去をお悔やみ申し上げます

 国際大山空手道連盟の大山茂総主が2月15日にご逝去されました。

 高見空手一同、ご生前のご指導に深く感謝するとともに、故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。

2016年2月16日
空手道 高見空手 一同
 

『大山茂総主を悼んで』高見 彰

 昭和63年、私は国際大山空手道連盟の大山泰彦最高師範の内弟子として渡米しました。極真会館 城東支部の郷田勇三師範(現、最高顧問)の内弟子だった私は、渡米前、新たな修行の始まりだと仏門に入る禅僧の覚悟で頭を丸めました。

 最初の3週間は、大山茂総主のお膝元、ニューヨーク本部道場での修行です。本部道場ロビーで、緊張しながら総主をお待ちしていたことを今でも鮮明に覚えております。階段から足音が聞こえ、最初に入って来られたのは大山徹盛先生(ご子息)、続いて大山茂総主がいらっしゃいました。

そして総主は、私の坊主頭を見るなり開口一番、
『バカヤロー!アメリカでは坊主頭はギャングの頭だ!』と、怒鳴られます。
私は、緊張感マックス状態で
「押忍、失礼しました」と、何とか返事をしました。
すると総主は、萎縮する私の坊主頭をなでながら笑って言いました。

『Welcome!』

 こうして私のアメリカでの修行が始まりました。ちなみに今でも私が食事の時に炭酸水(Sparklng Water)を飲むのは、このニューヨークからスタートした武者修行の初心を忘れないためです。

 アメリカ留学時代、大山泰彦最高師範とともに総主にも様々なことをご教授して頂きました。ニューヨーク本部道場での寝袋による泊まり込みの稽古などよき思い出です。そして総主には、空手のテクニックや武器術のみならず、食事の時など「異文化を体験する大切さ」「空手道とは如何なるものか」「武道家の心得」等、ご指導して頂きました。この教えは武道家として私の根幹をなす大切なものばかりです。

 また、私が大会に出場した時、総主は、
『アキラ、ガンガン行け!』
『負けてもともと、ガンガン行け~っ!』と、鼓舞して下さいました。
軽量級の私が巨躯のアメリカ人相手に無差別級で入賞できたのも総主の檄のお蔭です、押忍!

 総主は、わざわざ松山の高見道場にいらっしゃってくださった事もございました。平成17年7月、私が愛媛県に戻って後進の指導にあたっていた折、国際大山空手道連盟の催しで総主が来日中であることを知った私は、
「ご都合がよろしかったら、是非、松山にお越しください。」と、電話で総主をお誘いしました。すると総主は、
『よし、これからの予定は全てキャンセルだ!』と仰られて、翌日には松山にいらっしゃいました。高見成昭総師(当時、極真会館 四国本部長)とのご再会では、道後温泉の旅館ロビーで『オー!オー!』と言われながら、二人ハグし合って旧交を温めていらっしゃいました。

 また旅館での夕食の際、総主より
『アキラ!立派になってくれないと俺は心配だよ』
『立派になれよ。安心させてくれよ』と、温かいお言葉を頂きました。

 そして総主は、帰国直前までの5日間、松山にご滞在されて私たちをご指導して下さいました。

 あれから11年。高見空手一同、総主の薫陶を受けた者として、誇りを持って空手道に邁進しております。そして私の脳裏には今も総主の声が鳴り響き、私を鼓舞して下さいます。

『アキラ、ガンガン行け!』
『負けてもともと、ガンガン行け~っ!』
『アキラ、わるくないねぇ』
『わるくないよぉ』

大山茂総主、ありがとうございました、押忍!

2016年2月23日
高見空手 本部道場にて
高見 彰 九拝

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