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2022 昇段レポート/安部こころ 弐段位 大西道場

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 まず初めに、昇段審査の機会を与えてくださり、承諾してくださった高見総師、高見最高範士、丸山師範、本当にありがとうございました。
 4年前、初段の昇段審査を受けた時に、「もう二度と審査は受けない」と言い張ってきたのに、今回、あの場に立ったことを審査が終わった今でも不思議に思います。
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 4月16日、まだ少し肌寒い頃でした。自分は癌で手術を受けると先生に言われました。先生が帰ってくるまで副代表として、大西道場を任されました。突然の出来事に対する驚き、先の見えない不安、先生に万が一のことがあった時の恐怖、沢山の負の感情が私を襲い、涙が止まりませんでした。
 先生が道場を離れてから数ヶ月間、黒帯のみんなでローテーションしながら指導員をする日が続きました。内容は先生の稽古の見よう見まね。きっと道場生もなんの変わり映えもないただ号令を数えるだけに近い稽古をつまらなく思ったと思います。ごめんね。
 先生が帰ってきた後も、月初め以外は私達黒帯が指導を行っています。今回一緒に受審したかなこに指導するのも、先生ではなくほとんど私でした。大西道場に初段が増えていく、後輩と同じ段になる。でも、いつも中心になって指示を出すのは私。心のどこかでは、このままじゃダメだと思っていたんだと思います。
 受けようと決めたのは審査の42日前でした。普通ならありえないと思います。前代未聞です。しかし、先生は審査1週間前の最後の稽古まで誰にも言わないことを条件に申込用紙をくれました。
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 そこからは、かなこの稽古と称して自衛術や組手をしたり、家で筋トレ、柔軟を徹底するなど限られた時間の中で、できることをしました。時間が無い中、かなこの指導をすること、4年前に再審査になったこと、道場のみんなに言えないこと、沢山の不安やイライラが止まらずパニックになることもありました。
 そんな私を一番に支えてくれたのは母です。
「4年前より上手くなってる。大丈夫。」
パニックになり過呼吸で上手く息ができなくなる私の背中をさすってくれるのはいつも母です。大丈夫と私の背中を押してくれるのも母です。喧嘩も多いですが、私の夢の実現のために毎日遅くまで働いてくれている母を誇りに思うし、普段は絶対言わないけど感謝しています。ありがとう。バイトの給料でビールでも買ってあげようと思います(笑)。
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 「審査を受けたいと言ってくれた日。本当に嬉しかったです。こころちゃんならだいじょうぶ。必ずきれいな花が咲きます。」
LINEで先生が送ってきてくれた言葉です。この言葉を信じて限りある時間を最大限に使って審査に挑みました。
 審査当日は、ボートをしている弟、志(のぞみ)も部活を休み、審査に来てくれました。二度も志に恥ずかしいところを見せたくない一心で、4年前より間違えても落ち着いて、基本から腕立てまで自信をもって審査に挑めたと思います。しかし、組手では、本数を重ねるごとに動けなくなる身体、色んなところが痛くて何回も辞めたいと思いました。それと同時に自分の体力の無さを痛感し、4年前と何も変わっていなかったことが悔しかったです。でも、最後の相手が志でよかったです。
「出し切れ!来い!」と言ってくれて、全部受け止めてくれている気がして嬉しかったです。ありがとう。
 合格通知を頂いた時は本当に嬉しかったです。高校卒業後は、パティシエになるために、大阪の辻製菓専門学校に進学します。毎週稽古に参加することはできませんが、長期休暇は、必ず稽古の日に合わせて帰ってこようと思います。大阪に行くまでの残り数ヶ月。二段の自覚を持って、私が先生から教わったことを教えられる限り、後輩に教えていきたいと思います。
 ありがとうございました。押忍。
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