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道の巨匠・大家(たいか)に学ぶ

 少々前のお話です。

 今年の4月、上京して郷田道場(極真会館 城東支部)時代からの大先輩で大山泰彦最高師範の内弟子時代にもお世話になりました高橋督先輩(大山空手アトランタ支部高橋道場)と後輩の三井真吾君(以下、シンゴくん)と銀座で待ち合わせして久々に会い、新橋のジョナサン(ファミレス)で昔話に花を咲かせました。三人一緒に会ったのは実に27年ぶりです。

 アラバマの内弟子修行の話から、シンゴくんが一目ぼれしたアメリカの女の子の話まで(笑)、会話は多岐に渡り、尽きることなく大いに盛り上がり旧交を温めることができました。

 また長年、泰彦師範に師事し続け、誰よりも私の内弟子時代をご存知の高橋先輩より、
「アキラにとって黄金の修行時代だったよな」と、ご指摘いただきました。本当に私も黄金の時だったと思います、押忍!

ファイル 199-2.jpg※写真:左より私(高見彰)、シンゴくん、高橋先輩

 その後しばらくして今度は同じく郷田道場時代の先輩で大阪の某大手家電会社にお勤めのM先輩と夕食を共にしました。

 M先輩に高橋先輩のことをお伝えしたところ
「高橋先輩は、黄帯だった僕やSくんのこと覚えてるかなぁ?」と言われたので、覚えている旨をお伝えしたら喜んでいました。そして
「しかし高橋先輩しかり、彰くんも凄いよね。内弟子として郷田師範に泰彦師範という二人の空手道の大家に師事したんだから」と褒められ(嬉しかったです)、M先輩が上司から聞いた『道の巨匠・大家に学ぶとは如何なることか』のお話を教えて頂きました。

 それは武道のみならず茶道や絵画に音楽、料理など様々な世界で道を極め、日本一、世界一となった巨匠や歴史に名を残すような大家は、過酷な修行によって頂点に立つのに見合う激しいご気性やご性格の方が多く、内弟子となって技芸の教えを乞うのは大変なこと。でも、この苦労や葛藤、理不尽を乗り越えて滅私奉公で修行するからこそ磨かれ、師の心技を受け継ぐことが出来る。これが内弟子の醍醐味。

 またM先輩は、大山倍達館長(総裁)に創成期から最後まで師事し続けた郷田師範は本当に凄い。泰彦師範が郷田師範を慕うのは、言葉では言い表せないような様々なことを乗り越えて館長に師事し続けた人間力ではなかろうか?社会人になって初めてわかったよと、仰られていました。

 思わず私も納得してしまいました!

(ちなみに泰彦最高師範のご指導は、知的で理路整然として理不尽はございません。ただ反論の余地のない隙のない分、逆に厳しかったかも知れません。)

 そして、道を極めた巨匠は富士山と同じ。離れて眺めると美しいけど、いざ登ってみると溶岩ゴツゴツで天候の変化も激しい。内弟子は身近な分、往々にして天候の激しさや溶岩ゴツゴツしか感じられず、富士山の美しさや偉大さを見失って挫折することも多い。

 私は、M先輩から教えて頂いた『巨匠の富士山説』に感動するとともに、高橋先輩から指摘された郷田勇三最高顧問と大山泰彦最高師範に師事した内弟子時代が、自分の空手道人生にとって『黄金の修行時代』だったことを再認識しました。郷田最高顧問、泰彦最高師範、有り難うございました。押忍!

 また両先輩のお話より、苦労や葛藤あってこその内弟子修業と思いました。

 歴史に名だたる道元禅師や臨済禅師など、脂が乗って過酷な修行をしていた時の弟子からは名僧が排出されたそうですが、晩年の悟って温厚な時の弟子は、その分、甘くなってパッとしなかったそうです。

 修行者は、苦労や葛藤によって魂が磨かれ、心技に深みが増す!

 これが巨匠に学ぶ内弟子はじめ、全ての修行者に必要な心得ではないでしょうか。

 ちょっと話は変わりますが今年の高見空手の夏合宿は、気温35度、湿度100%の不快指数マックスという大変厳しい環境だった分、素晴らしい稽古が出来ました。やはり苦労あってこその修業です。

 高橋先輩&シンゴくんとの青春の邂逅は、私に修行者としての在り方を思い出させてくれました。そして改めて郷田師範と泰彦師範の内弟子出身者として、誇りを持って空手道に邁進いたいと来年に向けて心新たに決意した次第です。

高見 彰 押忍!

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その後、高橋先輩がブログで以下の記事を投稿されているのを発見しました。

▼ ワールド大山空手アトランタ支部高橋道場 Un-Official blog

・Japan Trip 2015 Part 1(シンゴ編)
・Japan Trip 2015 Part 2(アキラ編)

 この記事をS先輩に伝えたところ
「あっ、高橋先輩だ、ペリーさんだ、山岡さんだ。メチャ懐かしい!」と興奮され、郷田道場時代を懐かしんでおりました。

ファイル 199-1.png

 M先輩、S先輩ともに大学卒業・就職で空手から離れて30年ですが、郷田道場で稽古した時を懐かしがり、楽しい時よりも大学受験の浪人時代とか空手の稽古とか、振り返ると苦しかったり大変だった時の方が大切な思い出、人生の宝物になっているんだよねとも言ってました。

まったく同感です、押忍!

追加:
その後、S先輩より、以前、何かの本で佐藤塾の佐藤勝昭宗師が「巨匠は富士山説」で極真を離れてから改めて大山総裁の偉大さを認識した旨のお手紙を総裁に送られたエピソードを読んだ覚えがあると教えて頂きました。

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 今年も残すところあと僅か!

 皆さまには高見空手にご尽力いただき誠にありがとうございました。来年も皆さまに喜んでいただける正拳コラムを投稿できるよう頑張って精進努力しますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
高見 彰 九拝

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